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Visual 幸せの答え 【ネット小説】

「お前、最近何かあったのか?」

陽介が美智子に尋ねる。

「どうして?どうしてそんな事聞くの?何かおかしい?」

美智子は首をかしげる。

思いあたることはなかった。

陽介との生活において特にこれといって問題などあっただろうか。

振り返り、考えてみる。

「何年お前と一緒にいると思ってるんだ(笑)。

すぐに顔を見れば分かるよ(笑)。」

陽介が背中をそっと撫でる。

その手はとても大きく、温かかった。

子どもたちも自立して、二人だけの生活になり数年が経つ。

食事も【二人】、寝ることも【二人】。

どこかへ出かけるのも【二人】だった。

ひとりの時もある。

けれど、陽介と過ごす時間の方が

一日の中でどれくらい長く過ごしていることだろう。

 

結婚して、20年以上一緒にいて

一日のほとんどの時間を陽介と過ごしてきた。

美智子の人生の中で【陽介のいない時】などなかった。

そんなことに今さら気付く。

(私は【陽介】のどこを見てきたの?)

美智子は【自分自身】に問いかける。

 

陽介は【自慢】の旦那だった。

それは、【教授】であり【いい父親】であったから。

【裕福】な生活もさせてもらった。

陽介のおかげだ。

その自分の捉えてきた【幸せ】は

【陽介が創り上げてきたもの】。

すべてではないにしても、陽介がいなければ

その【幸せ】はなかったかもしれない。

 

ふと、気付く。

今【幸せ】なのか、と聞かれたら、どう答えるのか。

ずっと心にあった。

【幸せ】じゃないわけじゃない。

足りないもの。

 

泣きそうになる。何かが溢れそうになる。

大きな温かな手が、体温が美智子に伝わる。

「言いたくなったら言えばいい。

伝えたくなったら伝えればいいさ。」

そう言って、陽介は美智子の頭を優しく撫でた。

 

【幸せ】は満たされている。

それに気づかなかった。

当たり前だと思っていたこと。

創り上げられたものに、与えられる愛に

【当然】なものだと思ってしまっていた。

 

美智子の中でクリアなものが浮き上がろうとしていた。

それは、佳央莉との【違い】。

 

佳央莉は何かを感じるココロを持っているのかもしれない。

それは、喜びも大きな哀しみも。

当然や普通のものとしてではなく

きちんとひとつひとつ見ようとする。

(私は、【普通】というラインから物事を見ているのかもしれない)

佳央莉の目を真っすぐに見ることができなかったこと。

(同じようにひとつひとつ見ることができなかったのかもしれない)

【正しい】とか【間違っている】とかではなく

そういうことに答えることすら臆病だったかもしれない。

 

「お前はお前でいいんだよ。」

陽介は美智子の背中をポンポンと叩いた。

 

そうだった。

陽介は【美智子】を選んでくれた。

必要ともしてくれた。ともに歩んできた。

(十分、幸せでしょう、あたしは)

誰に聞かれても【幸せ】だと答えよう。

そう美智子は想った。

 

Visual。

人はどうしてVisualを見るのだろう、と思う。

【印象】は大切かもしれない。

その人を【知る】ということ。

Visualは【幸せ】とともに【変化】するということ。

 

多かれ少なかれ、人は見た目を誰でも気にする。

人とも比べてしまう。

けれど、大切な人に【必要とされること】や

大切な人を【大切にする】ことに気づいたとき

Visualはとても【美しいもの】なんだろうと思う。

 

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